気候変動への取り組み
TCFD提言に基づく情報開示
ガバナンス
気候変動への影響の低減を「テクノ菱和のマテリアリティ(重要課題)」特定の過程で重点項目として捉えています。マテリアリティについては経営会議および取締役会で議論を行い、2024年度からの中長期経営ビジョン「TECHNO RYOWA 2032」や中期3か年事業計画との関連性を確認した上で、取締役会の承認を受け、持続的な成長に向けたKPIを策定しています。KPIは定期的に評価を行い、PDCAサイクルに基づいて取り組みを推進しています。
気候変動への影響の低減を目指すマテリアリティである「環境負荷低減と汚染防止」については、環境委員会において取り組みの進捗管理と実績のモニタリングを行っています。環境委員会での審議・決議事項は社長直轄のリスク管理委員会を通じて、取締役会に対して報告され、監視・監督が図られる体制としています。
リスク管理
気候関連のリスクと機会は、環境委員会にて検討されます。リスクと機会の特定プロセスでは、気候関連課題に関する社会状況の分析や社内の各部署への聞き取り調査のほか、外部専門家からの意見などを参考とし、移行リスク・物理的リスク・機会の観点で幅広い事象を洗い出しています。洗い出されたリスクと機会について、世紀末までの気温上昇が産業革命前と比べて2℃を下回るシナリオを含む複数のシナリオを用いて、事業への財務影響度や発現の可能性を定性的に評価しています。環境委員会で検討された気候関連リスクと機会はリスク管理委員会へ報告され、全社的なリスク管理プロセスとの統合を図っていきます。
戦略
2023年度に、当社の事業活動において、発生した場合に事業へ大きな影響を与える気候関連のリスクおよび機会の特定を行いました。特定されたリスク・機会については、事業の利益に与える財務影響度が2億円以上のものを影響度「大」とし、重要と考えられるリスクまたは機会として捉えています。今後、評価結果について財務的影響や経営戦略との関連を併せて検討し、重要と考えられるリスクまたは機会についてより詳細なシナリオ分析を行い、経営戦略へ反映する予定です。
気候関連リスク・機会(事業への財務影響度「大」のものを抜粋)
| リスク/機会 | 領域 | 要因 | 事業への影響 | 発現時期 |
|---|---|---|---|---|
| 移行リスク | 政策 | 炭素価格導入、 GHG排出規制強化 |
サプライヤー企業のGHG排出量に炭素価格が課されること による、調達コストの増加 |
短期~中期 |
| 移行リスク | 規制 | 省エネ法規制の強化 | 設備更新・投資などの対応コストの増加 | 中期~長期 |
| 移行リスク | 市場 | 電力価格の変化 | 電力価格の上昇による事業所コストおよび工事原価の増加 | 中期 |
| 移行リスク | 市場 | 原材料費・資材費の変化 | プラスチック価格、金属部材価格の上昇による調達コスト の変化 |
中期 |
| 物理的リスク | 急性 | 風水災等の気象災害の 増加・激甚化 |
自社事業所の建物の被災、取引先企業の被災による需要減 少や機会損失、世界的な保険事故増加による保険料上昇 |
短期~長期 |
| 機会 | 資源 効率 |
省エネ、CO2削減の促進 | 現場への資材投入量の減少および施工現場廃棄物の減少に よる生産性向上 |
短期~長期 |
【要因の発現期間】短期:2024~2026年、中期:2027~2032年、長期:2033年以降
【財務影響度】事業利益に与える影響額 大:影響額2億円以上、中:2,000万円以上2億円未満、小:2,000万円未満
指標と目標
当社の気候変動への取り組みにおいて、事業活動にかかるGHG排出量を重要な項目と認識しています。
2024年5月には、「テクノ菱和のマテリアリティ(重要課題)」における新たなKPIとして、2026年度までにGHG排出量(Scope1,2)を11%削減(2022年度比)すること、また、Scope3排出量の算定を進め、サプライチェーン全体の排出量の把握を進めることを掲げました。
2025年度のテクノ菱和※1のGHG排出量(Scope1、Scope2(マーケットベース)、Scope3)は次表のとおりです。GHG排出量の低減活動として、2025年度は、各オフィスの照明のLED化や、電気自動車やハイブリッド車の導入などを進めました。2026年度も引き続きオフィスの省エネ化をはじめ、Scope1,2,3排出量削減のための取り組みを促進します。
直近4年のScope1,2,3 排出量
単位(t-CO2)
| 項目 | 定義※2 | 該当する活動 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Scope1※3 | 自社での燃料の使用や工業プロセスによる 直接排出 |
事業所・施工現場におけるガス・ ガソリン・軽油の使用 |
985 | 984 | 942 | 914 | |
| Scope2※4 (マーケット ベース) |
自社が購入した電気・熱の使用に伴う 間接排出 |
事業所・施工現場における電気の使用 | 1,184 | 1,222 | 1,287 | 1,663 | |
| Scope2 (ロケーション ベース) |
1,171 | 1,203 | 1,265 | 1,634 | |||
| Scope3※5,※6 | その他の間接排出 (いずれもScope1,2に該当する場合は除く) |
- | - | 1,289,475 | 1,316,958 | ||
| カテゴリ1 購入 |
原材料・部品、仕入商品・販売に係る資材等が 製造されるまでの活動に伴う排出 |
空調機(冷凍機・パッケージエアコン・ 送風機等)・ダクト・配管の仕入れ |
- | - | 128,817 | 128,227 | |
| カテゴリ2 資本財 |
自社の資本財の建設・製造に伴う排出 | 設備投資 | - | - | 1,314 | 3,439 | |
| カテゴリ3 その他燃料 |
他者から調達している燃料の調達、電気や熱等 の発電等に必要な燃料の調達に伴う排出 |
ガス・ガソリン・軽油・電気の調達 | - | - | 428 | 481 | |
| カテゴリ4 輸送(上流) |
①報告対象年度に購入した製品・サービスのサ プライヤーから自社への物流(輸送、荷役、保 管)に伴う排出 ②報告対象年度に購入した①以外の物流サービ ス(輸送、荷役、保管)に伴う排出(自社が費 用負担している物流に伴う排出) |
空調機・機器類の運送 | - | - | 811 | 702 | |
| カテゴリ5 事業廃棄物 |
自社で発生した廃棄物の輸送、処理に伴う排出 | 事務所・工事現場の産業廃棄物の輸送、 処理 |
- | - | 1,118 | 985 | |
| カテゴリ6 従業員の出張 |
従業員の出張に伴う排出 | 出張(国内・海外) | - | - | 295 | 410 | |
| カテゴリ7 従業員の通勤 |
従業員が事業所に通勤する際の移動に伴う排出 | 通勤 | - | - | 138 | 129 | |
| カテゴリ11 商品の使用 |
使用者(消費者・事業者)による製品の使用に 伴う排出 |
納品した設備の稼働に関わる排出 (償却期間15年) |
- | - | 1,155,645 | 1,181,246 | |
| カテゴリ12 商品の廃棄 |
使用者(消費者・事業者)による製品の廃棄時 の処理に伴う排出 |
納品した設備の廃棄 | - | - | 909 | 1,340 | |
| 合計※7 | 2,169 | 2,206 | 1,291,704 | 1,319,536 | |||
※1 株式会社テクノ菱和および連結子会社
※2 定義については、環境省・経済産業省「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン(ver.2.7)」の「表4-2カテゴリ区分」を参照し、記載しています。
※3 Scope1排出量算定基準:国内拠点、国内子会社については「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令」に基づく「温室効果ガス算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」の排出係数を用いて算定しています。海外子会社、海外駐在員事務所、海外工事現場については日本の排出係数を準用して算定しています。
※4 Scope2排出量(マーケットベース)算定基準:国内拠点、国内子会社については、「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令」に基づく「温室効果ガス算定・報告・公表制度」における『電気事業者別 排出係数(特定排出者の温室効果ガス排出量算定用)』を用いて算定しています。海外子会社、海外駐在員事務所、海外工事現場については、Institute for Global Environmental Strategies [List of Grid Emission Factors]のCM(Combined Margin)を引用して算定しています。
※5 Scope3排出量算定基準:環境省が提示する温室効果ガス「排出原単位データベース」、IEA [Upstream Electricity]、Department for Energy Security & Net Zero, Department for Environment Food & Rural Affairs {UK Government GHG Conversion Factors for Company Reporting}、「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令」に基づく「温室効果ガス算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」、同施行令に基づく「温室効果ガス算定・報告・公表制度」における『電気事業者別排出係数(特定排出者の温室効果ガス排出量算定用)』、経済産業省・環境省令和5年告示第3号、自社係数を使用。
※6 Scope3カテゴリ8~10、13~15は該当する排出量がないため、記載していません。
※7 2022年度から2023年度は、Scope1,2排出量の合計。2024年度から2025年度は、Scope1,2,3排出量の合計。
環境エンジニアリング企業として
企業として活動する上での環境影響は地球温暖化、オゾン層破壊、天然資源枯渇、公害発生など各種の地球環境問題に直結するものが考えられます。環境エンジニアリング企業として産業設備を主軸とした建物付帯設備の設計・施工を行う当社は、CO2排出量削減・省エネルギー設備の提案、設備更新工事や設備保守役務の提供による建物長寿命化への寄与、高効率機器導入による電力使用量削減推進、施工現場での適切な廃棄物およびフロンの処理など、当社事業の提供によりお客様が目指す環境保全活動の実施に対して大きく貢献しています。

品質環境委員会の様子