サービス
設計のプロ
建築に「生活」を作る仕事
設備設計の重要度と心がけていること
株式会社テクノ菱和 名古屋支店
春山 裕之
生産施設や工場、オフィスビルなどの建築には、
設計の技術力は欠かすことができません。
中でも、テクノ菱和が担当する設備設計は、
運用時の生産環境や生活空間に直結する非常に重要な仕事になります。
これまで様々な施設の設計を手がけてきた設計のプロに、
設計時に意識していることや設計から見たテクノ菱和の強みなどを聞いてみました。
運用時の生産活動や生活環境に直結する
──テクノ菱和としての、設計の内容を教えてください
まず、工場やオフィスビルなどの建築においては、おもに構造設計、意匠設計、設備設計の3つの設計があります。テクノ菱和は、設備設計全般を行います。
実際に工場やオフィスビルなどを継続的に使用していくにあたり、設備設計は生産活動や生活環境に直結するところなので、非常に大事な設計になります。
──テクノ菱和における設計業務の流れを教えてください
まずは、構造設計をしている建築会社などから、該当物件の建物の建築図をいただきます。いただいた建築図を見ながら、一部屋一部屋に対しての負荷計算を行い、どのくらいの規模の設備をいくつ導入すればいいかを割り出していきます。
次に、換気扇の容量も計算で割り出していきます。同時に、給水、排水などの衛生関係、防災面における消火設備などの設置の検討も進めていきます。
最終的に、いただいた建築図に配管やダクトなどの設備の図面を入れ込んでいきます。このときに、設備の稼動に必要な電力を確保するため、電気工事の担当業者に電気の配線図を入れていただいたり、建築の担当業者とも打ち合わせを重ねたりして、全体の建築図を仕上げていきます。近年、生産施設などでは機械設備の重要度が増していることから、建築、電気を含めた施設全体の設計を手がけることも多くなっています。
この部屋に何が必要か”を常に心がける
──設計業務にあたり、特に気をつけていることはありますか
特に工場の設計の場合は、お客様が入れる機械や装置によって、同じ大きさの部屋でも発熱量が大きく変わります。そのため、機械や装置の発熱量の概算を見誤ると、十分な効果が得られなくなってしまいます。
ただ、機械や装置は工事中でも決まっていない場合もあります。その場合は、設計部門も工事中の現場へ訪れ、お客様と打ち合わせをしながら建築図をつめていくこともあります。
私は、打ち合わせのときには「この部屋に何が必要か」ということを常に考え、それを図に落とし込んでから打ち合わせにのぞみます。この落とし込んだ図をベースに、必要なもの、不必要なもの、追加するものなどをお客様とつめていくことで、設計に漏れやミスがないように心がけています。
──施工時や設備納入後を想定した安全対策として、意識していることを教えてください
特に意識していることは、メンテナンスがしやすいかどうか、ということです。
例えば、メンテナンス時や改修時の搬出入がスムーズに行えるような機器配置や、作業スペースがしっかり確保できているかといったことなどを意識して設計を行っています。それにより、メンテナンス時の安全対策に繋がると考えています。
経験の蓄積、教育に多くの投資をかける
──設計を行ううえで特に重要なものは何ですか
「経験」は重要だと思います。
例えば、依頼の中には建築図が未完成のものもあります。その場合は、面積や建物の用途、オフィスビルなのか工場なのか、工場なら何をする工場なのかなどの要素から導き出すのですが、このとき「このタイプの部屋を以前やったときにあれがあったな」という経験があれば、図面にないものも「これ必要ですか?」とお客様に聞くことができます。
──こうした経験をどのように共有していますか
若手社員は、先輩や上司の仕事を手伝いながら覚えていくことになります。そこで得た経験を、今度は自分が現場で伝えたり、後輩や部下に伝えたりすることで、より確かなノウハウとしていきます。
当社は教育には多くの手間をかけていると思います。新入社員には2ヵ月半泊まりがけで、先輩社員が講師を勤め、当社の基本的な技術や知識を徹底的に教え込みます。
──設計から見た、施工・メンテナンスまでを一括で引き受けられることの利点を教えてください
施工については、お客様と打ち合わせをした設計主旨や設計情報が、施工部門にダイレクトに伝わることにより、施工管理、品質管理が行いやすくなります。また、VEなどの変更にも迅速に対応することができます。
また、設計や施工時の情報をメンテナンス時にそのまま引き継ぐことができるため、より充実したメンテナンスのサービスが可能になります。改修計画が出た際にも、メンテナンス部門と情報を共有することで、適切な製品やシステムをいち早く提案できると思います。